2000年3月2日(木)
新幹線定期券を購入する。赤い丸幹スタンプが特徴である。期間は
3ヵ月。高額であるためか6ヵ月定期券は存在しない。真新しい定期
券は気分が良いのだが、同時に、紛失しないようにと気を引き締めな
ければ。そう、この薄っぺらなカードが、自分が携帯するものの中で
最も高価なものなのだ。この定期券を、私は名刺入れに納めて胸ポケ
ットにしまう。厚みが常に心臓の上で感じるられるようにするためだ。
そこまでしているにも関わらず、昨年の1月末、私はこの大事な定期
券を札幌で落としてしまった。 |
3月7日(火)
水沢江刺(岩手)への出張。仙台駅での乗換えで、14両編成である
はずのやまびこ・こまち号の16号車に乗るという不思議な体験をした。
やまびこ号には8両編成と10両編成の場合があるが、いずれの場合で
も、こまち号にはなぜか11〜16号のナンバーがふられるため、このよ
うなケースが存在するのだ。はじめてホームでアナンスを聞いた時は、
我が耳を疑ったものだ。 |
3月14日(火)
出勤前の持物チェックは欠かせない。新幹線通勤における忘れ物は
致命的だからだ。重要な書類を忘れたからといって、家族に東京まで
持ってきてもらう、というわけにもいくまい。 もう一つ重要なのは、天気予報のチェックである。白河と東京とで
は、気温も天気も全く別世界ということが少なくない。白河が晴天で
も東京が雨だったり、白河が雪で凍りついていても、東京ではコート
がいらないほど暖かい、などということは日常茶飯事である。 |
3月21日(火)
帰りのMaxやまびこ号は満席状態であったが、小山駅(栃木)で 降車する人が多く空席ができる。空いた席へと移動すると足元に定期 券が落ちていた。拾い上げて見ると、神田−小山間の定期券である。 他人事とは思えず、あわてて席を立ち周囲の方に声をかけていると、 ようやく降車口付近で落とし主を発見。無事手渡すことができた。落 とし主は勿論のこと、一部始終を見守っていた車内の通勤者とおぼし き方々も一様にほっとした表情を浮かべていた。車内の空気が和んだ 一瞬。新幹線通勤者にとっては、身につまされる出来事だったのでは ないだろうか。なんとなくではあるが、札幌でのお礼を少しできたよ うな、そんな気がした。 |
3月24日(金)
だいぶ早く目が覚めた。時計を見ると午前3時。外は雨と風が強く、
春の嵐といった様子である。今日は内輪の送別会がある。といっても
送られる側の立場なのだが。 新たな業務への不安・期待を抱きつつ、長くお世話になった現在の
職場の後輩に将来を託す。その後、皆に別れを告げ新幹線に乗り込む。
新白河駅に降り立つと、季節外れの雪が降っていた。ふと、イルカの
『なごり雪』のフレーズが頭に浮かぶ。 |